古銭の歴史

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古くに市場で流通した貨幣、あるいは儀式などに利用されていた貨幣の事を古銭と言い、主には近代以前の貨幣の事を指します。

国内において1番古いとされるのは富本銭ですが、これは流通した形跡がいまだ発見されず、儀式や祭事に利用されていたのではないか、との考え方が一般的です。

最初にお金として利用されたのは和同開珎であり、皇朝12銭の最初の貨幣となっています。

古銭は近代以前と指定された条件上、硬貨が多くなりがちで、実際に業者による買取や下取りも殆どが硬貨をメインに価格掲載されています。

しかし江戸時代にも紙幣は発行されており、江戸幕府や、各藩において独自の物がありました。

金貨と引き換えの対象となった金札、同様に銀貨を対象とした銀札、米を対象とした米札などの他、糸や傘を対象とした札など、今で言う特定商品との引換券の役割が多く、使用期限にも限りがありました。

また、藩によって、特産品などを対象とした藩札も多く流通していました。

江戸幕府の藩札における対応は一貫しておらず、それが藩札の拡大を許し、禁止令が出てもなお無断で発行が続けられていました。

明治に入って調査を開始したところ、8割の藩で紙幣は発行されており、廃藩置県をきっかけに紙幣を回収しています。

その後、各藩における相場と照らし合わせて、5銭以上ならば新紙幣に、以下ならば新硬貨と交換されましたが、鋳造、発行が間に合わず、旧藩札に新たな価格を押印して流通させていた歴史があります。